治療継続のサポート 指定難病の
医療費助成制度

指定難病の医療費助成(特定医療費)制度とは?

指定難病は、治療が極めて困難であり、その医療費も高額になります。
そのため、患者さんの医療費の負担軽減を目的として、一定の認定基準を満たす方に、指定難病にかかる医療費の一部が助成されています。

医療費助成制度のイメージ
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指定難病の医療費助成の対象となる寒冷凝集素症(CAD)患者さんは?

寒冷凝集素症(CAD)は、指定難病に定められている自己免疫性溶血性貧血の1つに分類されます(指定難病の疾病名:自己免疫性溶血性貧血)。
医療費助成の対象となるCAD患者さんは、次の2つのどちらかに当てはまる方です*2

  • 1CADと診断され、CADの重症度が「やや重症」または「重症」である患者さん(表1)
  • 2CADの重症度が「軽症」または「中等症」で、CADの医療費が高額の患者さん(軽症高額該当)

表1 温式自己免疫性溶血性貧血(AIHA)の重症度基準
厚生労働省 特発性造血障害に関する調査研究班(平成16年度修正)

Stage 重症度 基準
Stage1 軽症 薬物療法を行わないでヘモグロビン濃度
10g/dL以上
Stage2 中等症 薬物療法を行わないでヘモグロビン濃度
7〜10g/dL
Stage3 やや
重症
薬物療法を行っていてヘモグロビン濃度
7g/dL以上
Stage4 重症 薬物療法を行っていてヘモグロビン濃度
7g/dL未満
Stage5 最重症 薬物療法及び脾摘を行ってヘモグロビン濃度
7g/dL未満

表1の重症度基準は温式AIHAのものですが、平成27年に作成された指定難病における重症度分類では、冷式AIHA(CAD)についても暫定的にこの重症度基準を使用しています。ただし、CADの場合は「最重症」と診断しません。

令和4年度に改訂された自己免疫性溶血性貧血診療の参照ガイドでは、「CADについては寒冷回避が原則で、副腎皮質ステロイドが一般的に無効であるため、薬物療法が必要でも適切な治療法を選択し得ない場合がある」と記載されています。

*2:地域によって対象の基準が若干異なるため、詳しくは各自治体の担当窓口や最寄りの保健所などにお問い合わせください。

診断のタイミングは?

  • ・病名診断に用いる臨床症状、検査所見等は、診断基準上に特段の規定がない場合には、いずれの時期のものでも用いることができます(ただし、CADの経過を示す臨床症状等で、確認可能なものに限ります)。
  • ・治療開始後の重症度分類については、適切な治療が行われている状態で、直近6ヵ月間で最も悪い状態を医師が判断することとします。

1CADと診断され、CADの重症度が「やや重症」または「重症」である患者さん

  • ・自己免疫性溶血性貧血(AIHA)の重症度基準(表1)で、「やや重症」(Stage 3)以上のCAD患者さんが医療費助成の対象となります。
  • ・CADの治療は患者さんごとに異なるため、詳しくは主治医の先生にお問い合わせください。

2CADの重症度が「軽症」または「中等症」で、CADの医療費が高額の患者さん(軽症高額該当)

  • 1の基準(重症度基準)を満たさない患者さん(軽症または中等症の患者さん)で、月ごとの医療費*3総額が33,330円を超える月が年間3ヵ月以上ある場合*4を、軽症高額該当といいます。
    軽症高額該当の患者さんも、医療費助成の対象とされています。
    • *3 : 公的医療(介護)保険を利用して、CADの治療のためにかかった医療費(入院、外来、お薬、訪問看護の費用)
    • *4 : 次の①と②を比べて、いずれか後の月から申請日までの期間が対象です。
      ①申請月から数えて12ヵ月前の月
      ②CADを発症したと難病指定医が認めた月
  • ・たとえば、医療保険3割負担の患者さんでは、「医療費の自己負担がおよそ1万円となる月が年3回以上ある場合」が該当します。

軽症高額該当に当てはまる例(新規申請者の場合)

「月ごとの医療費総額が33,330円を超える月が年間3ヵ月以上ある場合」とは?

軽症高額該当に当てはまる例 イメージ

難病、指定難病とは?

【難病】
法律(難病法)で、以下の4つをすべて満たす疾患が難病とされています。

  • ・発病の機構(原因)が明らかでない
  • ・治療方法が確立していない
  • ・希少な疾患*5である
  • ・長期の療養を必要とする

*5:がん、精神疾患、感染症、アレルギー疾患など、個別の施策体系が確立している疾患は含まれません。

難病、指定難病とは? イメージ

MAT-JP-2308621-1.0-12/2023
最終更新日:2023年12月20日